仕事のやりがい

Vol.0062015.03
「患者さんの心の声に耳を傾けること」
職種:
作業療法士
勤続年数:
3年

Nさんは、平成26年に肝細胞がんにより入退院を繰り返し、前医では末期と説明を受けてきました。当院でも積極的な治療を望まず、ターミナル目的での紹介入院となりました。入院当初、全身痛があり、夜間せん妄、被害妄想が強く、大声を出して暴れるなどしたため、鎮静剤を使用することがありました。リハビリも当初は拒否が強くて介入できない状態でした。 同性の方がよいだろうと、私にリハビリの担当を変更し、まずは話をすることから始めました。すると、家に帰りたい、トイレに行きたいという希望を聞くことができました。排泄には介助が必要な状態でしたが、病棟と協力し、トイレ誘導を始めました。そうすると、日中落ち着いて過ごせることが増え、夜間の鎮静剤の使用量も減っていきました。 今では、容態も落ち着き、日中夜間とも穏やかに過ごして、排泄や歩行が見守りでできるまでになり、退院に向けて調整をしています。まず「心の声に耳を傾ける」ことから始め、患者さんとのつながりが出来たことでやりがいを感じることができた事例です。