仕事のやりがい

Vol.0102015.08
「患者さんの望みに添えるやりがい」
職種:
理学療法士
勤続年数:
6年

S様 84歳 女性 脱水後廃用症候群

上記診断名にて入院され、介入当初は問いかけに反応はあるものの、返答が遅くボーっとしている印象が強い患者でした。基本動作は軽介助レベルで、歩行も平行棒内歩行までは可能なレベルでしたが、自発性が低く、日中はほぼ寝たきりの状態となっていました。その為、バイタルに注意しながら車椅子離床進め、ベッドから離れて過ごす時間を作り、身体機能の改善とともに活動性の向上も目指し介入していました。徐々に身体機能の向上は見られ始め、起居・移乗動作までは見守りで可能となりましたが、日中の臥床傾向に大きな改善は見られませんでした。

そこで、病棟スタッフと相談し日中のトイレ誘導を実施することになりました。病棟スタッフとリハビリスタッフとで一日4回程度、時間を決めてトイレ介助を行うようにしました。するとトイレ誘導を開始した後、S様の表情に活気が見られ始め、会話量も増え、よく笑うようになりました。身体機能もより改善傾向となり、普段は寝ていることが多かったS様でしたが、ベッド上に腰掛けていたり、病棟スタッフと歩いてトイレに行ったりなど以前より活発な姿が見られるようになりました。当初は日中のみ車椅子乗車にてトイレ誘導で開始しましたが、病棟スタッフ側でS様の身体状況や訴えに合わせて、歩いてトイレに連れて行ったり、誘導時間外や夜間時にもトイレ誘導を実施していたそうです。

約1ヵ月後に、もともと利用していたグループホームの方に退院されていきました。病棟スタッフと協力して積極的な対応を実施でき、活動性と身体機能の向上につなげられたことに仕事のやりがいを感じた症例でした。