仕事のやりがい

Vol.0622020.04
「終末期患者の看護に携わって」
職種:
看護師
勤続年数:
2年1ヶ月

当院の療養病棟には慢性期の患者さんや終末期の患者さんが多く入院されています。今年初め、60代男性で肺癌の終末期で入院されてきた患者さんの担当看護師になりました。患者さんは口数が多い方ではなく、奥様とも会話が少なく、面会時も話をしている姿はあまり見られませんでした。疼痛コントロール目的で入院されてきましたが、痛みや不安を表出してくれるかが不安だったので、毎日挨拶をして声をかけ、患者さんとの会話を増やしていきました。

1ヶ月が過ぎた頃から「ここのお店はおいしいよ」、「ラーメンが食べたい」などご自分の想いを徐々に表出してくれるようになりました。奥様が来院した際には、その都度状態を説明して会話を増やすように心がけました。奥様も協力的になってくれて自ら話しかけ、笑顔が見られるようになりました。2ヶ月後には奥様と娘さんに見守られ旅立たれました。『少しでも患者さんとご家族をつなぐことが出来ただろうか』。私の笑顔に応えてくれた、口数が少ない患者さんとの2ヶ月間は、これからの看護師としてのやりがいを見出してくれたと思います。